建物の倒壊から逃れるには当たり前のことですが、耐震性の高い建物に勤務・居住することが最優先となります。
建築基準法の改正で、新耐震基準が施行されたのは1981年(昭和56年)のことで、この年以降に建築確認を受けた建物に対して新基準が適用されています。では、新耐震基準に適合した建物に居れば安心といえるのでしょうか。
答えはノーです。建物自体の倒壊は免れることができるかもしれませんが、地震が引き起こす火災からはいくら頑丈な建物の中にいても逃れようがありません。そこでレスキュープラスでは、この防ぎようのない二次的災害の火災から身を守ることにも着目し品揃えをしています。
火災で最も恐ろしいのは有毒ガスを含んだ煙を吸い込んでしまうことで、実は炎や熱よりも恐ろしいことをまず認識する必要があります。また、不完全燃焼時に発生する有毒ガスは煙を伴わないため、無味無臭無色の一酸化炭素をはじめとし、中毒症状が出て初めて気づくこともあり、気がついたときには手遅れとなってしまっている最悪のケースもあります。
一般的に、「火災発生時には、有毒ガスや煙は上に溜まる習性があるため、姿勢を低くして避難すべき」と言われていますが、空気と比べた比重は、一酸化炭素:0.97、青酸ガス:0.69、塩化水素:1.27、アンモニア:0.59、硫化水素:1.19となっていて、実際には有毒ガスは火災で熱せられた煙と混ざりながら拡がるため、間違いではありませんが正しいとも言い切れません。つまり避難する際には、これらの有毒ガスが充満した空間を通過しなければならないかもしれないのです。
特に高層化が進んだ昨今の建築物で就業する方は、階段を長時間にわたり煙や有毒ガスの中を避難しなければならないことも想定され、ハンカチやタオルでは防げない有毒ガスへの備えが適切な火災への備えということになります。
大切なのは、火災時にどのようなことが起こりうるのか、その時にどのような対策が本当に必要なのか、ということを理解した上で最善の備えをすること、ではないでしょうか。